米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2013年9月11日水曜日

ゴイズエタにおけるファイナンス その2

どうも、Class of 2014のKeitaです。無事に2年生になることができました!散々遊んだ夏休みも終わり(仕事も夏季短期留学も申し訳程度にはしましたが…)、ラスト1年、細かくは卒業まであと8か月を残すばかりとなりました。


もっとゴルフを上手くなりたいとかアメリカ国内を旅行したいとか学業以外の目標も多いのですが、学生の本分として勉強ももちろん頑張らなければなりません!履修科目のAdd/Drop期間も終わり、秋学期に取り組む科目が決まりました。オペレーションやマーケティングのクラスも検討したのですが、ファイナンスにも面白そうなクラスが多く、結局ほとんどファイナンスで埋まってしまいました。


前回のTedの記事でも触れられている通り、我らがファイナンスのProfessorであるRaymond Hillは「20 Most Influential Business Professors Alive Today」で4位に選ばれていたりで、当校にはおススメのファイナンスクラスがたくさんあります!例えば、彼のProject Financeは春学期に開講されており、私は来学期に取ろうかなぁ、と思っています。


さて、いつも通り前置きが長くなりましたが、Ted発言「アカデミックもすごいんです。」の裏付けの意味も込め、今回は以前の私の投稿「ゴイズエタにおけるファイナンス」に続き、私の秋学期の履修科目の中からファイナンスのクラスを具体的に2つほどご紹介したいと思います。


■Doing Deals: Private Equity
実際のプライベートエクイティ(以下、「PE」)のディールの流れを実務に即したかたちで勉強しよう、という内容です。ファイナンス専攻の学生は、Valuation、Investment Banking、Advanced Corporate Finance等の授業で基礎~発展的なファイナンスの知識を既に得ているはずですが、実務についてはそれらのクラスではなかなかカバーしきれないところです。そこでこのクラスでは、M&A、特にPEファンドによる企業・事業等の売買契約、ローン契約等に関し、Valuation、ドキュメンテーション等を実践的にやってみる、ということになっています。


これはロースクールとの共同授業で、教授(講師)は元インベストメントバンカーとローファームの現役パートナーです。学生のチームはビジネススクールとロースクールの学生の混合です。これによって、より実務に即した学習を行うことができ、今後売却者、買収者、アドバイザー、ファイナンサーのいずれの立場からPEのディールに関わる場合にも、有効な知識・経験を得ることが出来るものと思います。


個人的に一部の実務経験はあるのですが、ディール全体を通しての経験が無いため、非常に期待している授業です!また、これまでに得た知識の復習、定着、活用の場として使えればと考えています。


■Frontiers and Illiquidity in Alternative Investments
これは変わり種です。Alternative Investmentsから推察できる通り、高い流動性を有する株や債券、あるいは不動産といったある程度Valuation手法が確立された資産ではなく、非流動性資産にフォーカスした授業です。具体的にはアート、ワイン、代替エネルギー(バイオマスなど)、カーボンクレジット等の非流動性資産でありながら、既にヘッジファンドやPEファンドなどのポートフォリオの一部になっている、あるいは今後なっていくであろう資産(一般名詞的に用いられてはいないようですがFrontiersと呼んでいるようです)の流動性やValuation等について考える授業です。


でもどうやってそれらに値段を付けるの?と考えても私のような者には今のところサッパリです。だからこそ、履修したわけではありますが…。授業で推奨された2010年(日本では2011年)公開の「Exit Through the Gift Shop」を観ましたが、尚のこと訳が分からなくなったというのが正直なところです。ただ、映画としては本当に素晴らしく、恐ろしく考えさせられる内容なので受験の息抜き等に是非ご覧ください!


さて、先ずはアートから授業が始まったのですが、教授が「DCFとかマルチプルはアートには無関係だ!」と熱弁するあたり(まあ確かにそれはそうだとは思いますが…)、今後の展開に非常に期待が持てます。実際に美術館に訪ね、ディーラーの話を聞くといった課外セッションが何回かあり、趣味と実益を兼ねた授業であることは間違いないです。中にはワインとチーズが出るセッションも!また、うち1つは、アトランタを代表する美術館の1つであるハイ美術館で行われますが、現在、同館にはフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」がオランダから来て展示されており、それを授業の一環で専門の教授と見に行けるのは非常に貴重な機会と言えます。

なお、アメリカの3大美術館を有するニューヨーク、シカゴ、ボストンと比べることはもちろんできませんが、「少女」がアトランタに来るあたり、アトランタの美術もなかなか捨てたものではありません!


まだまだ面白そうなファイナンスのクラスも多いので、また折をみてご紹介出来ればと考えています。


Class of 2014 Keita