米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2014年3月30日日曜日

Emory Mac Conference


“I keep saying that the sexy job in the next 10 years will be statisticians,” said Hal Varian, chief economist at Google. “And I’m not kidding.”


こんにちは。Class of 2014のTEDです。

1人でも多くの方にゴイズエタを選んでいただけるように、今回も当スクールの差別化の一つである定量系マーケティングについて書きたいと思います。少々マニアックではありますが(笑)。

僕の記事に何回か登場している「Emory Marketing Analytics Center (Emory Mac)」は毎年3月にカンファレンスを開催しています。このイベントにも先日参加してきたのですが、地元の大手企業のプレゼンを目当てに、マーケティングに携わるビジネスパーソンが学外から集まり、熱いディスカッションが繰り広げられました。

Emory Macについては以下の記事を参照してください。
 Marketing Strategy & CRM
 マーケティング系プロジェクトについて





アトランタには大企業が多いため、このようなイベンにでトップ企業の最前線で働くスピーカーがたくさん来てくれることです。イメージをつかんでいただくために、簡単に今年のスケジュールをいくつか紹介します。


  1. Target(ウォルマートに次ぐ全米2位のディスカウント百貨店):
    POSデータ等の店内データを使い店内環境の最適化を行うプロジェクト。例えば、通路に面している商品面積(例:1列か2列か)はどれくらいで売り上げがピークになるか、隣り合う商品の組み合わせによる売り上げへの影響、などを分析し最適な店内環境を作る取組を紹介。
  2. AT&T(全米最大の通信会社):
    "Cool Phones at a Hot Price"という価格戦略についてのプロジェクト。例えば、携帯端末を割り引いて月額料金を上げる、携帯端末を割り引かず月額料金を下げる、というオプションの生涯顧客価値へのインパクトを分析し、最適な料金モデルを作る取組を紹介。
  3. Chick-fil-A(アトランタに本社置くファストフードチェーン):
    チキンサンドイッチなどの新商品の開発プロジェクト。過去のヒット商品の傾向分析や、季節毎の需要変動などを考慮して、最適な時期に、最適な商品をリリースする製品開発戦略を紹介。
  4. InterContinental Hotels Group(世界最大のホテルチェーン):
    コールセンターの最適化プロジェクト。コールセンターのオペレータの「能力」と、入ってくる電話の「質」を定量化し、ベストな組み合わせを実現することで売上を最大化するオペレーション系のプロジェクトを紹介。
このほかにも、グーグルによる組織としてデータへの取り組み方について、BtoBにおけるデータの活用、最先端の「Bayesian Analysis」という手法、などについての講演が行われました。今年は来ませんでしたが、例年、アトランタに本社を置く、コカ・コーラやブレーブスもよくプレゼンに来ています。

こうしてみると、最近は「最適化」がキーワードになっていますね。データを使わなくてもGoodな意思決定できるが、データを使ってBestな意思決定をしよう、というのがアメリカ企業での風潮です。日本はこの分野が出遅れてしまっているので、MBAにおいてこの分野を学べるのは非常に大きな武器になると期待しています。


1日にわたるプレゼンテーションが終わった後はアメリカらしくレセプションがあります。ちなみに、朝食も昼食も出るため、$25ドルで参加できる学生としては非常にお得なイベントでもあります。$75も払ってでも学外から多くの一般人が来ているのは、イベントの質が高い証拠ですね。



さて、2年間にわたって交代で書いてきたブログですが、僕が投稿するのはこれで最後になると思います。みなさんがエッセーを書いたり、学校選定をするうえで、少しでもお役にたったのであればブロガー冥利に尽きます。

では、またどこかでお会いしましょう。

いや、きっとゴイズエタ同窓会でお会いできることを信じて。


Class of 2014 TED



2014年3月24日月曜日

MSM in Atlanta

Class of 2014のRockyです。
今回は、先々回のヤッシー、先回のグッチの海外編に加えまして、アトランタにおけるMSMのご紹介です。

その前に、本日3/23は、個人的に素晴らしい&過酷な1日でした。
朝4:30amに起きて、ダウンタウンにあるオリンピックパークへ。(近くには、有名なコカコーラ博物館World of Coca-ColaやCNNセンターが軒を連ねます)
6:45am頃には、アメリカ国歌斉唱。これがまた感動的でした。アメリカ人は、みんな胸に手を当てて口ずさんでましたね。
7:00amに号令とともにスタート。長い旅の始まりです。
そう、年に一度のジョージアマラソン&ハーフマラソンです。我々日本人5名と韓国人1名がハーフマラソンにエントリー。アトランタの街を駆け抜けました。普段通る道も含まれており、車でいかに楽をしてるかが分かる行程となっています。アメリカ人に話すとYou have to appreciate your carと言われました。
完走後には、メダルとスポンサーのPublix(少し値段が張る有機物等を扱うスーパー)の品をごっそりいただけます。
個人的に、一番感動したのは、沿道の応援でした。夜明け前から沿道に出て、いろんな人が声をかけてくれたり、プラカードをこしらえて応援してくれたり、見知らぬミュージシャンが演奏してたり、小さな子供はハイタッチをしてくれたります。キレイな街並みに加えて、そういう人の優しさがアトランタの魅力です!
ゴイズエタに入学された際には、是非とも走っていただきたいと思います。

ハーフを走った後には、ゴイズエタ2014のメンバーでソフトボールチームを組んでアトランタのリーグに参加しているのですが、本日はダブルヘッダーで試合をしてきました。。。

さて、ここからが本題ですが、海外トリップに参加するか国内の集中講義に参加するのがMSM(Mid-semester Module)です。昨年はジャパントリップを日本人数名で企画し、素晴らしい経験をさせてもらった私ですが、今年は集中講義に参加しました。講義一覧は、以下の通りです。

- Mgmt Consulting for Mission Driven Organizations (Booz Allen Hamilton)
- Syndicated Data Analysis (Doug Bowman)
- Business Law: Essentials for Entrepreneurs & Business Mgrs (Jason Gordon)
- Using Power & Influence in Orgs (Rodney Lacey)
- Adv Communication Skills for High Potentials (Brandon Smith)

どの授業もチームワークがメインとなるプログラムで、3~4日間で構成されています。

私が取った授業は、Prof. Rodney Laceyの"Using Power & Influence in Orgs"です。Lacey先生は、私が最も好きな先生の一人で、Organization & Management系の授業を担当しています。以前、私が投稿しました「Goizueta MBAはココがすごい!(選択科目編)」でも紹介したLeading and Managing Changeを教えている先生です。授業のスタイルが秀逸で、生徒同士または先生と生徒間でひたすらディスカッション(テーマに沿った生徒間のロープレもよく行われる)を行います。先生なりの回答も最後に披露してくださるので、モヤモヤしたまま授業を終えることはありません。

本授業では、企業のトップ、ボードメンバー、部のトップ、またはプロジェクトリーダー、新卒の採用者等になると決定権を有する、人を評価するなどパワーを持つこと、さらにはそのパワーを先人たちがどのように使い成功し失敗したのかをケーススタディや読み物を元に議論します。加えて、成功者にとって(ここではトップに上り詰めるには)必要になるのが政治力だといいます。使い方を間違えると自分が窮地に陥る可能性も大いにあり、授業では、GEの元スーパー経営者Jack Welchのケースやアメリカで大人気お化け番組「Tonight show」の前のMCであるJay LenoがMC就任までの周りの人々の思惑をリアルに描いた映画を見ながら政治力に関して学びました。
チーム課題も計3回あり、毎授業で学んだトピックに関連付けてレポートを提出しました。
実際に起こった事例を元にさらには活発な議論を交えて学べたのは、非常に良かったです。
General ManagementやHuman Resource等に興味がある人には、絶対お勧めです。
*他の授業にご興味ある方もお気軽にご質問ください。受講した友達に聞いてご返信します。

最後に、これまた個人的なことですが、私がゴイズエタ在籍中にブログに投稿するのはラストになります。ゴイズエタの魅力を少しでも多くの人に知っていただきたいと思い、長過ぎる文章を書いてきましたが、役不足だったかと存じます。
ブログは、これからも日本人が途絶えない限り、一生続きますので、引き続きよろしくお願いします。
ありがとうございました。

ゴイズエタ大好きRocky

2014年3月17日月曜日

Social Enterprise@Goizueta MSM Trip in Central America(ニカラグア編)

こんにちは!Class of 2015のグッチです!前回の投稿でやっしーが書いている通り、2月の最終週から3月の第1~2週にかけてMSM(Mid-Semester Module)が実施されましたが、私と、同じくClass of 2015のMATことまっちゃんは2月27日(木)~3月10日(月)の日程で中米トリップ(ニカラグア&コスタリカ)に参加してきました!

このトリップは「Social Enterprise@Goizueta」という、社会的企業をテーマとした学内プログラムにより主催されているもので、同じ国へのMSMトリップが複数年連続して行われることが珍しい中、2010年から続いています。引率教授はSocial Enterprise@GoizuetaのAcademic DirectorであるPeter Roberts教授で、専門分野はOrganization & Managementです。

旅のスタートはニカラグアから。首都のマナグア(Managua)まではアトランタから直行便で4時間ほどです。ニカラグアでの旅程は、Comunidad Connect(コミュニダッド・コネクト)というNGOによってアテンドされました。この団体は、アトランタ出身の男性を含む数名によって設立され、ニカラグアの海辺の観光都市サン・ファン・デル・スール(San Juan del Sur)を拠点に、ニカラグアの人々が自力で経済発展を遂げるための様々なサポート(特に、国外の人々との「つながり」を作る支援)をしています。2010年にこのトリップが始まったのは、Social Enterprise@GoizuetaとこのNGOの出会いがきっかけだったようです。

最初の3日間はニカラグア中西部にある山あいの町ヒノテガ(Jinotega)にある、Comunidad Connect所有の農園のロッジに宿泊しましたが、非常に美しい自然に囲まれた場所でした。



ここを拠点にした3日間で行った活動は、主に次の2つでした。

<地域の民家にコンクリートの床を敷設>
Comunidad Connectでは、衛生的な飲料水の確保のため、各家庭が行った地域奉仕(Community Service)に応じてろ過装置を提供する「Nica agua(ニカ アグア)」というプログラムを実施していますが、すでにろ過装置を保有している世帯に対して、更なる衛生環境の向上のため、コンクリートの床を敷設するサポートを行っています。私たちも実際に砂を運び、シャベルを使ってセメントや水と一緒に混ぜるという作業を手伝いました。



<ニカラグアのコーヒービジネスについて学ぶ>
ニカラグアの主要な輸出品目であるコーヒーですが、小売店での販売価格からブローカーの取り分や中間工程での諸経費を除くと、生産者が全くと言っていいほど利益を得られないことがほとんどというのが現状。
そんな中、Social Enterprise@GoizuetaがComunidad Connectと協力して立ち上げをサポートしたSocial Enterpriseに「Farmers to 40」というものがあります。これはその名が表すように、「小売価格の40%(諸経費控除前)を生産者に」を実現すべく(現状は20%未満)、適正な価格設定に合意可能なバイヤーとのマッチングなどで生産者を支援しています。
Comunidad Connectの農園やその他の有機栽培農園、収穫後の工程を実施する施設を見学し、関係者の方々にお話を伺うことでニカラグアにおけるコーヒービジネスの現状について学び、あるべき姿について考えました。



ヒノテガのロッジに別れを告げ、次は国内随一の歴史観光都市であるグラナダ(Granada)へ。ここでは1泊だけでしたが、「Hotel con Corazon」というホテルに泊まりました。このホテルは、利益の100%を地域の初等教育完遂率向上のためのプログラムなど、自ら行う教育事業に投資しているとのことでしたが、施設もサービスも非常に質の高いものでした。


本トリップの主要なプロジェクトの1つに、グラナダとサン・ファン・デル・スール(グラナダの後に3日間滞在)における、(旅行者向け)手芸品等のマーケット調査(商品概要、価格、展示方法、販売促進策など)がありました。サン・ファン・デル・スール郊外のコミュニティーを拠点とする女性たちの集まりが、自分たちの作った商品の販路を求めている中、そこに対して、これらの町のマーケットがどのような様子かという情報提供をすることによって支援を行おうというComunidad Connectのプロジェクトがあり、私たちは2つの町で単なる旅行者の振りをしてこれらの情報を集めるという形でサポートしました。

サン・ファン・デル・スールでは現地のご家庭に3日間ホームステイをさせて頂きました。言葉がスペイン語なため、言語によるコミュニケーションはかなり限られてしまいましたが、それでもホストファミリーは私たちを本当に暖かく迎え入れてくれました。
ホームステイを通して現地の方々の暮らしを肌で感じることができました。また、道路の地下を通る水道管の破裂による丸1日間の断水も経験しました。ありきたりですが、日本においてもアメリカにおいても、私たちがいかに恵まれた生活をしているかということを、改めて実感しました。

この町に滞在中はマーケット調査のほか、上記の女性たちの集まりと交流を持ち、彼女たちの現状や今後に対する考えについて話を聞く機会や、現地の子どもたち(小~中学生)に英語を教えるComunidad Connectのプロジェクトの特別版として、その他の外国語(中国語、フランス語、日本語、イタリア語など)を教えたり、その後一緒に遊んだりする機会を得ることができました。
日本人が2人いたので、私は大学のとき第2外国語として履修し、その後も興味があって少しずつ学んでいるイタリア語の簡単なあいさつなどを教えましたが、スペイン語とイタリア語はとてもよく似ているため、言葉によっては子どもたちが非常に面白がっているようでした。
子どもたちが学んだり遊んだりする環境は、良いとはとても言えないようなものでしたが、彼らは本当に生き生きしていました。彼らが、母国の未来を自らの手で切り拓く、その手助けができればと強く思いました。


ここまで読んで頂いておわかり頂けたかと思いますが、非常に中身の濃い、有意義なトリップでした。というのも、この時点でまだ全12日間の行程のうちニカラグアでの7日間を終えたのみで、この後にコスタリカでの5日間を残しているのです!すでにかなり長い投稿になってしまっているので、コスタリカ部分については近日中に別途投稿させて頂ければと思います。

「社会的企業」は、日本でも近年注目を集めつつある分野かと思いますが、本を読んだり、話を聞いたりするだけでは、どのようなものであるかが今ひとつピンとこないところがあるものでもあると個人的に思っていました。しかし、このトリップを通してニカラグアという国の現状を目の当たりにし、また、Comunidad Connectの理念とその活動に共鳴するものを感じたことで、社会的企業の発展途上地域における意義について(発展途上地域に限らないのかも知れませんが)、深く理解することができたように思います。

GoizuetaにはMP Electiveにおける実際の企業との関わり等、Hands-on Experienceの機会が多くありますが、MSMのInternational Tripsもそれらの中の大きな1つではないかと思います。こうした点でGoizueta MBAは、「身に付けた理論や知識が、実際の社会のどんな場面でどのように活用できるのかを常に考えながら学びたい」というあなたにとって、ベストなプログラムと言えるのではないでしょうか。

ここには書き切れないエピソードや学びもたくさんありました。ご興味を持って頂けた方は、日本人在校生メーリングリストまで、是非ご連絡下さい。

それでは、サン・ファン・デル・スールのビーチから見える美しい夕焼けで締めくくりたいと思います。


Class of 2015
Gucci



2014年3月10日月曜日

MSM@南米にて

こんにちは!Class of 2015のヤッシーです。3月に入りましたが、まだまだ寒い日も多く、暖かい春が待ち遠しいですね。しかし、そんな中、私は夏真っ盛りの南米(アルゼンチン、チリ)に行ってきました!

これは当校のMSMMid Semester Module)という、2月後半~3月前半まで実施されるプログラムによるものです。MSMは「海外研修」と「米国内集中講義」の2種類のどちらかを選択できる必修科目です。私はせっかくの機会なので、全く足を踏み入れたことのない南米での海外研修を選んでみました。ちなみに、今年の他の海外研修地としては、中米、シンガポール、インド等がありました。
研修内容としては、企業を実際に訪問し、内部を案内してもらったり、その地域独特のマネジメントについて話を聞いた上で質問、意見交換等をしたりすることが中心です。今回は計8社を回り、そのバリエーションも、ローファーム、製造業、大使館、ベンチャーといったものがあり、質・量とも非常に充実したものでした。

個人的には、工場見学が最高でした。日本でもプラントで勤務していた期間が大半である私は、安全最優先の意識と、それを中心としたマネジメントが染み付いているのですが、今回、現場をじっくりと見学した上で、地域特性に基づいて作り上げた安全文化や、それによってなされる経営について、経営者の方と話す機会が持てたことに感激しました。これまで、自分の技術者としてのバックグラウンドは、学校の授業とは直接的な接点はほぼなかったのですが、今回のMSMを通して、他国の異なる文化におけるビジネスと、自分のバックグラウンドをつなげることができた!と感じました。


…とまあ、まじめな話はここまでにして、、、観光もしっかりしてきました!何せ日本からだとなかなか行けない南米です。しっかり楽しまないと!
アルゼンチンでタンゴショーに行ったり。。。


チリではワイナリー見学をしたり。。。一面のブドウ畑では最高の解放感を味わえました。


また、ドキドキした体験も。通りを歩いていると、おじさんが「マネー、チェンジ、マネー」と言いながら近寄ってきます。怪しさ満載。ちょっと怖いです。来る直前にネットで調べた、「あまり治安のよくない場所もある」との情報が頭をよぎります。。。

実はこれ、アルゼンチンペソとUSドルをいくらか割高のレートで交換している、いわゆる「ブラックマーケット」のようです。ブラックマーケットというと、私的には秘密の地下集団!みたいなイメージでしたが、通りのそこら中にいます。理由としては、アルゼンチンペソが不安定なことから、地元の人もUSドルを欲しがっているためだそうで、きちんと(?)両替しているようです。(※中には、本当に大丈夫かな、って感じの人もいましたが。。。)

こういう生の体験を通じて、地域社会の実情を感じることができたのも、MSM の醍醐味かな、と思います。

ヤッシー