米国アトランタにあるエモリー大学ゴイズエタビジネススクール(Emory University Goizueta Business School)の日本人在校生によるブログです。

当校のプログラムやアトランタでの生活について書いています。

2015年2月23日月曜日

【マーケティング系選択科目】Marketing Channel Strategy

Class of 2016のSamです。みなさまいかがお過ごしでしょうか?

中間試験や課題の提出も終わり、早いもので春学期も折り返しです。火曜日からはMid-Semester Moduleが始まり、私も2週間ほど中米にあるニカラグア/エルサルバドルへ行ってきます。
気持ちはもう中米へ行ってしまっているのですが、明日月曜も通常通り授業が行われます。明日への気持ちを奮い立たせるという意味も込めて、私が月水曜で現在履修している「Marketing Channel Strategy」という授業について紹介したいと思います。

この授業はB2B(2C)マーケティング系の科目なのですが、コア科目で学んだマーケティングが”商品がもつ価値”に主眼を置くのに対して、この授業では”消費者がどのように商品を購入したいのか”という点に着目し、その為に必要な市場へのルートづくりやパートナー選択、パートナー間でのインセンティブの与え方・分配方法等について学びます。

これまでの前半の授業では、消費者が商品を買う際に商品以外にどのような価値(Channel Benefit)を見出しているのかを分析し、それを届けるために企業はどのような活動(Channel Function)をする必要があるのかということを学びました。
例えばある服が買いたいという時に、「ショップまで遠いからネットで買おう」と思う人もいれば、「サイズ感も確かめたいし、着てみてどう見えるのか他の人の意見も聞きたいから遠くても店へ行く」という人もいると思います。この場合、服という商品のもつ価値は同一なのに対して、どのように買うのかという点について両者が異なる価値を見出していることがわかります。こうした商品以外の価値を分析して見極め、消費者に届けることで企業の利益を最大化を図ろうというのがChannel Strategyの目的の一つとなっています。

ふわふわっと終わってしまうこともあるマーケティング系科目において、この授業は理解を深める為にほぼ毎回の小テストと課題が出され、学生にとっては辛いありがたい設計です。Channel Benefitという概念についても理解を深めるため、"自身の理想的な購買体験を思い浮かべ、実際に2つの小売店での購買行動を比較して分析せよ"という課題が出されました。私はとあるDVDの購入体験を比較するために二つの小売店に行って分析を行いました。

一つ目は大型小売店。家からも近く、一目でジャンルとパッケージが分かる陳列なのですぐに商品も見つかり私にとっては満足して購入できる環境でした。


私と同じくDVDを探すひと



ジャンルとパッケージですぐに見つかりました

もう一つのお店は家から遠いのですが、何となく雰囲気のある店内でパッと見よさそうです。しかしいざ商品を探そうとすると謎のジャンル分けで商品が陳列されている為お目当ての商品に中々辿り着かず、揚句店員に聞いてもすぐに場所が分からない状況でした。

何となくクラシックな雰囲気

テレビドラマでまとめている…?

私にとっては家からの近さと商品陳列のわかりやすさというのが重要なBenefitであったため、前者の方が優れたChannel Benefitを提供してくれているということになります。今回は分析の為に二つの店へ行きましたが、実際にDVDを買うために陳列の分かりづらい店へわざわざ出かけたりしません。このようにChannel Benefitの届け方次第で消費者の購買意欲に影響を与えるということが、この課題でのTake awayでした。

私自身、B2Bの会社出身&経理畑でマーケティングには縁遠い生活を送っていましたが、このように(単純なものですが)課題を通じてしっかりと理解を積み重ねている実感があります。また、前半はB2Cよりな内容も後半はB2Bにシフトしていきそうでより楽しみです。






2015年2月16日月曜日

不動産@Emory

Class of 2016のチュウです。

2ndラウンドで合格された皆様、おめでとうございます。MBA受験も終盤を迎え、今後は進学先の選定に頭を悩ませる時期かと思います。

今回は私がEmoryへの進学を決めた理由の一つである、Real Estate Initiative(不動産プログラム)についてご紹介したいと思います。

私は留学前、日本の金融機関で不動産証券化や海外不動産ファンド投資に従事していたことから、留学先の選定にあたっても不動産関連科目の充実度を重視していました。

Emoryでは、不動産ファイナンス産業の成長に伴うMBA卒業生の需要増を背景に、2007年から上記、Real Estate Initiativeを立ち上げました。本プログラムでは、不動産関連法、不動産市場分析、不動産開発、不動産取引、不動産ファイナンス、REIT投資といった幅広い科目が用意されています。"Commercial Real Estate Transactions"ではロースクールの学生とチームを組み、契約書の作成等、実際の商業不動産取引を疑似体験することが可能です。また、私はまだ参加できていませんが、NAIOP School ChallengeやGoizueta Business School Case Competitionといった不動産ケースコンペティションも用意されています。Emoryのようなスモールスクールでニッチな不動産関連科目がこれほど充実していることは嬉しい誤算でした。

< Real Estate Initiative - Curriculum >
- Real Estate Law
- Real Estate Management & Finance
- Real Estate Market Analysis
- Real Estate Equity Investment
- Real Estate Concepts and Practices
- Real Estate Development
- Adv Real Estate Finance
- Real Estate Law
- Commercial Real Estate Transactions
- Real Estate Management and Finance
- Real Estate Market Analysis
- Real Estate Equity Investment
- Real Estate Development
- Advanced Real Estate Investment Analysis

課外活動においても、Emoryでは不動産ファイナンス関連のイベントが豊富です。私が所属するReal Estate Clubでは、アトランタに拠点を置く不動産ファンドの講演会や開発プロジェクトの実査を企画しています。アトランタの不動産市場は、金融危機からの回復が他都市に比べ大きく遅れていましたが、昨年ごろから非常に活況となっており、足下では10を超える開発プロジェクトが進行中です。皆さんにも是非この活気を肌で感じていただきたいと思います。
実際事例:Inman Park Residential Project 外観
Inman Park Project 内覧&
ファンドによるプロジェクト説明





2015年2月8日日曜日

Emoryに進学して良かったと思うこと。

Class of 2016 のぐっさんです。

2月に入り、多くの方々がキャンパスビジットにいらして頂いておりますが、Emoryを受験して頂いている皆様に、改めて私なりのセールスポイントをご紹介することでEmory進学への思いを強めて頂ければ幸いです。

1.プログラムについて
MBAのプログラムに期待するものは人それぞれかと思いますが、私の中で最も優先度の高いものとしては、日本で行っていた業務を英語で同水準以上に行うという点があります。私の場合、バックグラウンドが証券会社でのIPOコンサルティングだったのですが、派遣元の投資銀行業務がなかなか上手く海外展開出来ていなかったので、その状況を打破すべくMBAでの経験を通じて、自分の知識を1段、2段とベースアップして行くことを目標としております。Emoryと言うとやはりマーケティング志向の方が多いかと思うのですが、流石全米のTOP20のスクールだけあって、ファイナンスやアカウンティングの科目も非常に充実しているというのが実感です。
この春学期の選択科目としては、ファイナンス、アカウンティング、アントレ系の授業を中心に取得しているので、いくつか私なりの所感を述べさせて頂きます。

■ファイナンス
・Applied Valuation: このクラスでは、とある未上場企業に対してValuationの提案をするというものであり、まさしく私が業務で行っていたことであり、それをアメリカで実際の企業に対して出来るというのは貴重な機会です。自分自身は10年間この業務を行っているので、自分なりのフレームワークはもっておりましたが、一度それをゼロベースにした上でValuationの手法を再確認することで、今までの自分になかった視点を得ることが出来ております。また、リサーチに関する指導が手厚いことも特徴として挙げられます。私の場合、英語での業務経験が殆どなく、日本にいる時も海外の情報ソースへのアクセスがネックとなっておりました。しかし、Emoryで度々リサーチに関するコーチングを受けることが出来たので今では迅速に必要な情報を入手し、今まで以上に一歩踏み込んだ考察を加えることが可能となりました。現在のところは、まだ日本語と同水準でValuationが行えるとは言えませんが、着実に一歩一歩とレベルアップしており、春学期が終わるまでにはそうなっていることが期待出来そうです。

■アカウンティング
・Financial Statement Analysis: その名の通り、財務諸表を分析するクラスなのでが、そこで扱うケースは非常に興味深いものがあります。例えば、今週の宿題ではボシュロム(コンタクトレンズでお馴染みの会社です。)を扱っているのですが、CEOの強烈なリーダシップの元で達成されてきた業績の背後にあった不正な会計処理についての分析を行っております。知らず知らずのうちに自分自身がそういう取引を行ってしまったり、またそういう取引を行う企業への関与を避けるためにも、この様なケースを学べるクラスが存在するというのはEmoryのアカウンティング教授陣の面白さかもしれません。なお、それ以外にも財務分析をする上でベースとなる様々な指標についての解釈や活用方法も、日本で得ている以上に深いレベルで学べておりファイナンスバックグラウンドの自分にとっても満足の出来るクラスです。

・Managerial Accounting: こちらは所謂管理会計のクラスとなります。授業では、管理会計におけるコストの扱い方を初歩から順々に追っていくことで単なるCVP分析等の手法の解説にとどまることなく、その情報をベースに如何にして意思決定を行うかということに重きが置かれております。教授は学生の学びに対するコミットメントが強く、要求水準も高いのですが、既存のケースに+αで質問を投げかけ、より深い洞察を学生に促しております。

上記の様に、今学期は財務会計・管理会計の授業を同時に取っておりますが、同時に学ぶからこそ両社の差異が見えてくることで、アカウンティングに関する知識が一層深いものになってきております。

■アントレ
・Entrepreneurship: 上記のクラスとは異なり、Evening(18時半開始、21時15分終了)のクラスであり、1・2年のフルタイムに加えて、Evening MBAの学生が多く在籍しております。アトランタでアントレというと、あまりピンとこない方が多いかと思いますが、EmoryにはCharles F. Goetzというアントレの分野では有名な教授がおり、当教授が教鞭を執るこの授業はWait Listが出る程の名物授業になっております。授業では、起業のプロセスをビジネスアイデアを立案するところから始まり、段階を追ってエグゼキューションに至るまでを授業で追っていくことになります。授業の中では、成功事例だけでなく、どういう失敗事例があり、如何にしてそれを防ぐかという点もしっかりとカバーされているので、毎回授業を受ける度に、”このノウハウを●●のCEOとシェア出来ていればもっとスムーズに上場出来たのに・・・”ということばかりで、授業で得た内容は私にとっては最高のナレッジになっております。

以上が、春学期における私の体験談ですが、マーケティング系を一切取っていない珍しい学生ではありながらも、他の皆に負けないぐらいビジネススキルは格段に向上していると自負しております。

2.生活環境について
これも皆が口を揃えて勧める点ですが、私からも再度アトランタの良さを述べたいと思います。
■安全性・利便性
Wikipediaなどでアトランタと検索すると、あまり良い印象を抱かれないかと思いますが、皆さんの生活圏内は非常に安全な場所であり、家族連れの方々にも安心できると思います。車で5分も走れば、至るところにチェーンの大型スーパーがあり、そこを中核としたショッピングエリアが数多くアトランタにはあります。私は東京の杉並区に住んでおりましたが、そこでは駅前に1・2件しかなかった様な大型スーパーがアトランタでは至る所にあり、日本より遥かに便利な状況です。

■食事
数多くある日系レストランに加えて、韓国・中国といったアジア料理から、ステーキハウス・イタリアンなどありとあらゆるジャンルのお店が数多くあり、外食先には事欠きません。私は今週、2回中華料理屋、1階日系居酒屋に行きましたが、日本人に安心できる味付けでとても楽しく食事が出来ました。その一方で、所謂アメリカ的なハンバーガー屋も数多くあり、昨日も新規開店したハンバーガー屋でランチをしてきました。
自炊する場合にも、上記のスーパーでは色々な食材がリーズナブルな値段で手に入りますし、日本人や韓国人向けのスーパーも車で20分程の所にありますので、日本と変わらぬ味をご家庭で楽しむことが出来ます。

■教育
7歳の息子が、昨年の8月から現地校の1年生として小学校へ通っております。朝は7時45分に始まり、午後2時半に帰宅する毎日ですが、学校を嫌がることなく元気に過ごしております。全く英語力ゼロの状態で渡米した長男ですが、学校や日本人の友人たちのサポートのお陰で日本に居た時以上に楽しく通学しております。

■医療
日本人医師のクリニックがありますので、風邪を引きやすいお年頃のお子さんがいる方には安心して頂けると思います。私自身は日本人医師のいる歯科にも通院しているのですが、日本より技術が高く、一回の通院で処置が終わる場合が殆どなのでここぞとばかりに昔治療した歯を総点検してもらっております。

■エンタメ
メジャーなプロフェッショナルスポーツは全てあるので、シーズン時には本場の凄さを間近で体験することが可能です。私はまだメジャーリーグしか行っておりませんが、是非近々NBAでも家族で見に行こうとしております。
また、その他ではアトランタ水族館やコカコーラミュージアムに加えて、ストーンマウンテンなどの観光地や少し車を飛ばせば隣のテネシー州にも様々な観光地がありますし、飛行機であればフロリダやニューオリンズ等の米国人にも人気の観光地へも抜群のアクセスを誇ります。

3.日本人コミュニティについて
実際生活する迄はあまり意識することはなかったのですが、やはり米国で生活を始めると日本人コミュニティの存在というのは非常に支えとなっております。MBAに通う学生だけでなく、Emory病院に勤める日本人医師の方々も含めたコミュニティがあることで家族も含めてアトランタ生活を満喫出来ているのだと思います。
MBAに来ているということで、勿論他の国から来た学生・家族との関わりも重要なのですが、Emoryの場合はその比重が絶妙だと言えるのではないでしょうか。
私の場合も、セットアップ開始時には現Class of 2015の方々に非常にお世話になり、その後も2015・2016共に、家族ぐるみで多くの方々と楽しい時間を過ごすことが出来ました。こういった、心の安らぐ場所があるからこそ、チームワークや多くのホームワークを無事にこなすことが出来たのだと思います。
私は別のプログラムに参加しますが、来月にはミッドセメスターモジュールで日本人学生がホストとなって、Japanトレックがスタートします。多くのMBA生が日本を訪れることで、一層と日本に対する関心が高まると思います。また、学業面においても、多くの日本人が成績優秀者に名を連ねており、学校全体として日本に対してポジティブなイメージがある中で、MBA生活を送れるというのはとても幸せなことと感じております。歴代の方々が築きあげてきたこういった好循環を我々も継続していきたいと切に思っておりまして、まさにこれから進学先を決めようとされている皆様と共にEmoryのブランドを高められればと思っております。

最後に・・・・

アプリカントの方々におかれましては、インタビューや合格発表などまだまだ気の休まらない日々が続くことと思われます。私自身も毎日受験先からの連絡を待ち、一喜一憂する日々でした。最終的に進学先が決定するまではなかなか落ち着かないかと思いますが、今この時期を悔いの無いように過ごして頂ければ、進学してからも迷いなく、皆様ご自身にとっての最高のMBAライフがおくれると思います。兎に角勉強しまくる2年間、ソーシャル重視の2年間、家族との時間を大事にする2年間、過ごし方は自分次第ですが、20代後半から30代にかけてのこの時期を自分次第で如何様にも過ごせるこの2年間はMBA受験で努力された皆様へのご褒美だと思います。

日本では寒い日々が続いているかと思いますが、風邪に気を付けてこれからの時期お過ごし下さい。一人でも多くの方々と、半年後にお会い出来ることを楽しみにしております。

2015年2月2日月曜日

住環境紹介〜Emory Point(もうすぐ第2期オープン!)

こんにちは、Class of 2016Tedです。

この時期はMBA 受験では年末年始締め切りのラウンドのインタビューが始まってくる時期ですね。受験生の方は大詰めの情報収集などで引き続き忙しいのではないかと思います。

ゴイズエタにもありがたいことに多くのアプリカントの方がビジットでお見えになっていますが、ビジットで来られる方の共通の関心事の一つが「住環境」です。
まだまだ受験シーズンが続くとはいえ、出願という最大の山を超えて、これから春先にかけそろそろ具体的な生活環境などへの意識も湧き始める時期かと思います。
そこで、今回は2年制フルタイムMBAの日本人学生が居住しているPost BriarcliffEmory Pointのうち、筆者が居住しているエモリーポイントについてご紹介したいと思います。

(概要)
エモリーポイントはGablesが運営する6階建ての低層マンションで、エモリー大学の至近距離に位置しており、疾病管理予防センター(CDC)のはす向かいにあります。ゴイズエタまでは徒歩20分弱ほどの距離です。
Post Briarcliffとは異なり、いわゆる「集合住宅」という作りですが、敷地は十分広く、1階部分には飲食・物販のテナントも入居しています。


(共用施設)
共用施設は、さすがにアメリカだけあって充実しています。プール、BBQスペース、住民専用ジム、ラウンジ、小型の貸し会議室、などを備えています。
フリーウェイト、マシン共に充実したジム
夏場はプールも賑わいます 
(テナントエリア)
1階のテナントエリアには、メキシコ料理やハンバーガーショップなどに加え、インドカレー屋やアジア料理店もあり、一人暮らしの独身者にとっては食事の支度が面倒なときなどに重宝します。また、CVS pharmacyも入居しているため、24時間たいていのものはジャージのまま買いにいける環境となっています。 
暖かい日などは外でランチを取っている住民も多くいます 
(第2期棟が間もなくオープン)
さて、このEmory Point、実は現在拡張工事の真っ最中です。春先に第2期棟がオープン予定で、住居数が増えるほか1階のテナントゾーンも増えることになり、ますます利便性があがる見込みです。特に、第2期棟には食料品店が入居することが確定しているため、徒歩圏内で基本的な生活はほぼ事足りるという、車社会アトランタではなかなか珍しい住環境が整うことになります。
第2期棟は着々と工事が進んでいます!

日本ではこれから受験・寒さともにピークを迎え受験生の皆さんは大変な日々が続くかと思いますが、ここで頑張れば充実かつ快適な生活が待っていますのであと一息ぜひ頑張ってください!

Ted